2010年5月15日土曜日

グローバル製造業の未来

(カジ・グリジニック&コンラッド・ウィンクラー 訳:ブーズ・アンド・カンパニー)

グローバル競争でいかに生き残っていくか、まさに「Make or Break=「創るか滅ぶか」の分岐点にある今をどう乗り越えるかを提言している。

具体的には、日本メーカーと欧米メーカーの特徴を分析し、それぞれの弱点を克服するような処方箋を提案し、グローバル市場で生き残っていくメーカーの特徴を示している(もちろん、これが答えだとは限らないが)。

特に、「製造観」という点に着目して論じているので、読み進めやすい本である。簡単にまとめると、日本メーカーはボトムアップの製造観、つまり“ものづくり思考”が強いが、事業戦略に欠けているという。反対に、欧米メーカーはトップダウンの製造観、つまり事業戦略に逃げ込み、製造現場に重きを置いていないという。

いままでは、こういった「製造観」の中で企業活動を続け、日本メーカーは欧米メーカーをしのぐ勢いで成長してきた。

しかし、新たに新興国メーカーの台頭が起きている(サムスンとかLGがよい例ですね)。さらに、もしも欧米・新興国連合体による巻き返しが起きたとき、日本メーカーの生き残りが危ぶまれるという。

中国やインドといった巨大市場をターゲットとしたとき、今のままの“ものづくり思考”だけでは太刀打ちできないこと、事業ポートフォリオのイノベーションが必要であることが指摘されている。

この本を読んで、欧米メーカーと日本メーカーの特徴を(なんとなく)整理して確認することが出来た。さらに、グローバル化に伴う戦略等をイメージすることが出来た。

そういえば、最近日本の大手自動車メーカーが金融危機以降、ついに黒字化することが出来たらしいが、それは大幅なコストカットが功を奏したらしい。製造技術が世界トップであっても、それを効率的に、無駄なく、いかに売っていくか、といったことを考えていかないと競争優位な事業活動はできないのだろう。

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